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紅殻格子
- 13.08.14 カテゴリー:コラム
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京町家の外観をしつらえる大切な要素の一つがこの紅殻格子。
つややかに黒光りした格子。赤色顔料のベンガラに墨をたっぷり混ぜて塗り上げてあります。朱を含んだ黒は、磨くほどに光沢を増し、竪子が細い京格子の繊細さも加わって、まさに京ならではの風情、家風まで感じさせてくれます。中からはよく見えますが外からは容易に見えないようにする防犯上の機能ももっています。
京都の格子は他地域と比べて繊細なものも多く、見た目も意識したつくりとなっているのが特徴です。ベンガラはインド・ベンガル産の顔料で、それがなまり、さらに紅殻に転じたものと言われています。着色は防腐も兼ねており、紅殻が使われるところから紅殻格子と呼ばれます。